Branding
Movie ブランディング動画・映像制作
ブランディング動画の制作で失敗しない秘訣とは? 企業のブランディングムービー制作を初心者向けにプロが分かりやすく解説!
「うちの会社も大手企業のようなイメージ動画をつくってブランディングしたい!」
「新たな商品やサービスのコンセプトムービーをつくって価値を伝えたい」
そんな風に考えている、企業の担当者の方がブランディング動画の基本から、制作依頼のポイントまでをプロが説明したいと思います。
ここ最近は、大企業に限らず、中小企業でもブランディング動画活用がとても身近になってきました。
ひとくちにブランディング動画といっても、目的はさまざまです。
企業自体のブランディングや新規商品やサービスのブランディング、既存ブランドのリブランディングなどがあります。
一方、映像を通して視聴者にメッセージを届け、共感や感動をしてもらうという本質的な目的は、大企業も中小企業も共通するシンプルなものです。
しかし、いざブランディング動画を制作しようと思っても、映像制作に携わったことがないひとにとっては一苦労です。
- ・ブランディング動画って、とても高そう
- ・制作の流れ、スケジュールなどまったく想像つかないけど大丈夫かな
- ・はじめてなので、いろいろと相談乗ってもらえるのかな
などなど。
企業の担当者が普段の業務に加えて、これらのことに対応しなければならないのは悩ましいことです。
さらに、しっかりとイメージを汲んでもらえなかったりすると、意図していないテイストの動画ができてしまうといったことも。
発注側にとっては、せっかくお金をかけて制作した動画が活用できないという状況は、避けたいものです。
そこで、映像制作のこと知らない方でも、ブランディング動画制作の発注がスムーズにできるように、ステップ・バイ・ステップで解説します。
No.1ブランディングの基本
そもそも、ブランディングとは?
まず「ブランディング」と言われて何が思う浮かぶでしょうか?
多くの方が、「知名度をあげること」と考えるかも知れません。ですが、本来の意味からは離れてしまっているので、知名度を上げるために動画を作ろうと考えると上手くいかない結果になってしまいます。
正しくは「価値」という意味です。自社や自社の商品が生み出している価値を発信すること。
「ブランディング動画を作る」というのは「価値ある商品(または自社)を伝えるための動画を作る」となります。
そしてそのブランディングにより、「この会社だから」「この商品だから」と思ってもらい、“共感”されそして“信頼”を生み出しましょう。
ブランディングと動画の相性
ブランディングと言うとどうしても「かっこいいイメージ動画が必要なんじゃないか?」と思われる方も多いでしょう。しかしそれはイメージだけしか伝わらない、ただの映像作品である可能性も……。
例えば製品を例にとってみましょう。動画であれば、自社製品にさまざまな形でアプローチする力があります。商品をオシャレにかっこよく撮影するのではなく、価値をストーリーとして制作し製品そのモノの信頼へとつなげていきます。
“視聴者の知りたいことだけでなくそのバックグラウンドまでがわかる”というのが重要であり、「共感」と「信頼」を呼び起こすことで「ブランド」へとつなげていきましょう。動画には「共感」と「信頼」を呼び起こすこと”を手助けする特徴があります。だからこそブランディングと動画は相性がいいと言えるのです。
No.2なぜ、ブランディングに動画が有効なのか
人間が受け取る動画の情報量はスゴイ
「共感」と「信頼」を呼び起こす手助けする特徴とはなんでしょうか?
3Vの法則(メラビアンの法則)によれば、聞き手が受ける情報の9割が映像と音で占められています。これにより動画にはとても大きな情報伝達能力があるとお分かり頂けたかと思います。
3Vの法則(メラビアンの法則)
- ・視覚情報(Visual)― 55% 映像・画像など
- ・聴覚情報(Vocal)― 38% サウンド・ナレーション・音楽
- ・言語情報(Varval)― 7% テキスト
「ブランディング=価値」のような、ともすればその本来の意味が中々掴みにくいとされる活動において、少しでも多くの情報を伝えられるツールというのは非常に重要になってきます。
ブランディングに不可欠な共感は情報量がカギ
そしてブランディングに必要な“共感”を呼ぶためには、ストーリーのような情報量がカギとなってきます。
ただ意味もなく「どうでしょう、うちの会社かっこよくないですか?」や「とにかくオススメ!」といった内容を発信しつづけても“共感”も“信頼”も獲得することはできません。
人はそこに描かれている背景やシチュエーションにストーリー性を感じ、他とは違う何かを感じ取ってくれるのです。共感を得続けたことで信頼に到達し、いつしか「この会社だから」「この商品だから」と思ってもらえたらブランディングは実を結んだと思っていいでしょう。
このストーリーという考え方を持つと、おのずと動画によるブランディングが有効だということを理解していただけると思います。
No.1ブランデッドコンテンツ・ブランデッドムービーとは?
「ブランデッドコンテンツ」「ブランデッドムービー」は近年広告・映像業界で注目され、企業ブランディングの手法としてよく用いられるようになってきました。
比較的新しい手法であるものの、「ブランデッドコンテンツ」「ブランデッドムービー」がもたらす目覚ましい成果が認識されています。
「ブランデッドコンテンツ」「ブランデッドムービー」とは一体何なのしょうか。
「ブランデッドコンテンツ」の1つが「ブランデッドムービー」
企業の価値観や理念などの「想い」をストーリーの中で描き、ブランド価値の向上や消費者との信頼関係を築くためのものが「ブランデッドコンテンツ」です。
ブランデッドコンテンツの特徴は「企業の価値観・理念など『本質的な部分』を伝える」「視聴者の興味や共感を惹く『ストーリー性・メッセージ性』がある」という点です。そのため、商品宣伝を目的としません。
ブランデッドコンテンツの具体例として以下が挙げられます。
- ・ショートフィルム(Web動画)
- ・アニメ
- ・映画
- ・漫画
- ・音楽
- ・小説
- ・イベント
これらをまとめて「ブランデッドコンテンツ」と総称し、その1つであるショートフィルムや映画のことを「ブランデッドムービー」と呼んでいます。ブランデッドムービーは、広告と娯楽コンテンツの『ハイブリッド』だとも言えます。
▼併せて読みたい!
【ブランデッドムービー】ストーリーと想いを伝えるブランデッドムービーとは ⇒click
【ブランデッドムービー/ブランディングムービー】ストーリーと想いを伝えるブランデッドムービーとは
No.3ブランディング動画の活用シーン
ブランディングの基本と、それについてのメリットをお話してきました。では実際にブランディング動画を作り活用していくために、それぞれのシーン別にご説明していきます。
【企業ブランディング】
ブランデッドムービーの成功事例のもはや定番となった「青葉家のテーブル」シリーズ。北欧、暮らしの道具店が掲げる「フィットする暮らし」が主人公の料理シーンを中心に丁寧に描かれています。
北欧、暮らしの道具店「青葉家のテーブル」
人間関係の悩みを抱える登場人物で共感を呼び、実際の商品を使ってブランドの世界観を可視化しており、「青葉家のテーブル」第1回は150万回以上再生されています。
北欧、暮らしの道具店は「リピーターが顧客の96%」(withnewsより)を占めており、ブランディングに大成功しています。
▼併せて読みたい!
『青葉家のテーブル』から学ぶブランデッドコンテンツとは ⇒click
【製品・サービスのブランディング】
“日常のちいさなストレスを軽減する”「LAKORE(ラコレ)」の製品は、汚れや撥水加工などの機能面に優れている製品です。しかし動画では機能面を数値などで説明するのではなく、日常におけるどんな場面で“ストレスを軽減してくれる”のかが伝わるよう作られています。
LAKOLE
LAKOREのホームページにこの動画が載っているわけではありません。CM(コマーシャル)以外にブランドスタートと同時に開設したInstagramの中に掲載されています。「どの消費者へ届けるか?」を若い世代と設定し、Instagramのシェア・拡散力を見越して発信をしています。
【採用ブランディング】
インターンシップ生の目を通し、「Google」という企業の設備や働く人たちの声を紹介することで「共感」を呼び起こすブランド動画となっています。
採用ページに動画へ誘導するボタンを設置され、それを押すことでYouTubeにある自社のページアクセスできるようになっています。そこに他のブランディング動画やコンテンツ、製品情報まで数多く動画が掲載されているので、求職者の知りたい情報のほとんどがYouTube上で確認できるようになっています。
企業や製品のブランディング内容と伝えたい層によって、媒体や活用シーンもさまざまです。動画を載せられる場所が増えたからこそ、どのようなシーンでどのように動画を活用するかを考えていきましょう。
No.4ブランディング動画の制作ステップ
では実際にブランディング動画を制作したいとなった際、制作会社への発注後どのような流れで進むのかご理解いただくと、全体を俯瞰でみることができるようになります。期間の目安は約2ヶ月程度が一般的でしょう。
- ・ヒアリング・打ち合わせ ブランディングの内容や方向性を決めていきます
- ・企画書 ヒアリングと打ち合わせの内容から企画書が作られます(内容をブラッシュアップする必要があれば差し戻し)
- ・台本 企画書を元に台本が作られます(内容をブラッシュアップする必要があれば差し戻し)
- ・撮影準備 撮影に必要なロケ場所や小道具の用意、必要であればキャスティングを行います
- ・撮影 台本を元に撮影が行われます
- ・編集 撮影した映像を編集し、テロップや視覚効果を足します(仮編集を見てブラッシュアップする必要があれば差し戻し)
- ・音入れ 音楽やナレーション、効果音を足していきます
- ・納品 試写後、問題がなければ希望のフォーマットで納品されます(.mp4が活用しやすい)
そして納品された動画を元に、どのように発信し活用していくかを決めていきます。
動画制作後のマーケティングや活用まで対応している制作会社に依頼すれば、この作業も併せて行われることとなります。
No.5ブランディング動画の相場感
一般的に映像制作の相場は数十万から数百万と言われています。
なぜここまで金額に差が出てしまうかというと、制作体制(主に人件費)の違いや、内容の違い(3DCGを使う、最新の機材を使う)などがあげられます。
あとは有名なタレントのギャランティなどがありますが、有名なタレントを使うことで、感情移入がしやすくなることもあります。
まずは目に止まった制作会社があれば一度見積もりを依頼してみましょう。比較することで、今回の計画で何を最重要視すべきかが自然と見えてきますので、社内での話し合いに役立ててください。
No.6ブランディング動画の発注ポイント
まずブランディングとして自社や商品の「価値」とは何か?を事前に考えておく必要があります。
そしてその「価値」を制作会社と共有し、どうブランディングしていくかを考えていきましょう。そのためにはぼんやりとしたイメージのまま進むのではなく、事前にいくつか決めておくことがあります。
- ・5W3H(いつ・どこで・誰が・なぜ・何を・どのように・どのくらい・いくら)
- ・ペルソナ(ターゲットより更に深い設定・性別年代、住まいやどんな生活や仕事をしているかなど)
……など。
基準が分からなければ「概要整理シート」をご用意しましたので、こちらを使って考えていただくといいでしょう。
また、それ以外にも担当ディレクターがブランディングの意図を汲み取ってくれるかも重要です。忙しすぎて打ち合わせに時間が割けない制作会社や、そもそも相性やセンスの合わない相手に当たってしまうと、せっかく制作した動画があまりいい内容のものでは無くなってしまう可能性も。
事前に制作会社の実績を確認し、どういった映像を作っているか掴んでおくことも大切です。また打ち合わせを通して相手を見極めて頂ければと思いますので、契約前の打ち合わせを慎重に進めて行きましょう。
No.7まとめ
ブランディングムービーを作る上で大切なポイントは、まず自社の担当や制作会社の担当が「ブランディング」を真の意味で理解しているかにかかっています。ただカッコいい映像で話題になるという提案だったりという内容を提案されたらもう一度考えてみてください。
ブランディングとは「価値」です。
そしてその価値は「共感」と「信頼」から生まれるものです。
「共感」と「信頼」を得るためには、ユーザーや消費者が知りたいと考えるバックグランドを伝える”ことが大切で、知名度を上げれば自動的にそれが獲得できる訳ではありません。そして華やかに、一気に!と進める必要はなく、コツコツと実績を積み上げ信頼を獲得することの方が重要です。
まずは競合他社や市場について分析し、自社の違いを明確化することから始めてみてください。そしてユーザーに抱いて欲しい感情を設定し、そこからどんなストーリーを動画に落とし込むか映像制作会社と相談していきましょう。
企業側からどんなに「この商品がすばらしい」と唱え続けても、ユーザーや消費者がそれを認めなければブランドにはなりません。ブランディングを構築するときは、まず顧客を第一と考えるといいでしょう。
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