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Signage デジタルサイネージ
デジタルサイネージ動画・映像制作の基本から、失敗しないコンテンツ制作会社の選び方まで専門家が徹底解説
「デジタルサイネージを上手に活用してるところはあるの?」
「デジタルサイネージって、安いタブレットなどの機器でもいいの?」
「デジタルサイネージに使う動画を作ってほしいとき、どうすればいいの?」
デジタルサイネージを使って、店舗や展示会などでアプローチしたいと思っている人も多いのではないでしょうか?
ここ十年、デジタルサイネージを活用する企業は大手だけでなく、中小企業や個人で営んでいる店舗など、さまざな規模や業種のひとたちが利用する手段になっています。
実際、国内のデジタルサイネージ市場は毎年10%以上で成長しており、2025年には、2017年の約2.2倍まで成長するとの見込まれているほど。
参考:デジタルサイネージ市場総調査 2019
このように、さまざまな場面で身近になったデジタルサイネージですが、有効活用するには専門的な部分も多く存在するのも事実です。
具体的には、
- 例1.「宣伝用の映像をつくるとき、金額などわからないことが多く、また、詳しい事のわかる人が近くにいなかったのでこちらの意向が伝わるのかが不安でした。」
- 例2.「展示会用デモ動画の見積りを取る際に、会社毎に料金設定が違っていて一概に品質と価格の比較が出来ず選定するのが難しかった」
など、みなさん悩みや不安があったそうです。(2019年6月 DIRECT CREATORS実施。インターネットアンケートより抜粋)
そこで、デジタルサイネージ動画などをはじめ、映像・動画制作に携わったことがない方。また、過去に制作会社へ依頼したことがない方を対象に、失敗しないデジタルサイネージ動画の制作と活用について、詳しく解説するので参考にしてください。
No.1デジタルサイネージの基本
そもそも、デジタルサイネージって?
簡単に言うと、デジタルサイネージというのは動画や画像などのデジタルコンテンツを使った電子看板(電子公告)です。
看板や広告というと、商品のCM(コマーシャル)だけを想像する方もいるでしょう。しかしデジタルサイネージは商品の広告以外に、液晶ディスプレイにタッチして施設の予約をしたり、交通機関や映画館のインフォメーションに使われたり、その活用方法はさまざまです。
近年ディスプレイやシステムの価格が下がってきたこともあり、さまざまな分野で導入され、これから成長する市場と言われています。
No.2デジタルサイネージの特徴とメリット
デジタルサイネージの特徴
デジタルサイネージはデジタルコンテンツを再生し内容を伝えるという広告ですので、極端な話しをすると手持ちのタブレットですら活用次第で有益なデジタルサイネージへと変身します。大型・小型を問わず目的にあった販促活動が可能と考えていいでしょう。
さらに広告を表示するだけではなく、施設や利用する人の利便性を向上する役割も持ち合わせています。
また、ネットワークに繋がったデジタルサイネージを利用すると、希望する購買層に向けピンポイントで販促活動が行えます。例えば「ある時間になったら“タイムセール”の広告に切り替える」といった最新の情報が表示できるのも、デジタルサイネージの特徴と言えます。
デジタルサイネージの導入メリット
では従来の紙の広告に比べ、デジタルサイネージが優れているのはどのような部分なのでしょうか。
- ①動画が利用できるので、街中で目立ちやすく購買意欲につながる。
- ②ポスターや旗に比べて多くの情報量を載せられる。
- ③ディスプレイが元々発光しているので、暗い所や遠い所からでも内容を見ることができる。
- ④紙に比べて劣化が少ない。
- ⑤複数の広告内容を1つのディスプレイに表示できるので、設置する場所の確保が少なくて済む。
- ⑥ネットワークで繋がっていればシステムを使って遠隔で更新ができるので、最新の情報を表示することができる。
No.3デジタルサイネージの機器と価格
デジタルサイネージのタイプ
次にデジタルサイネージのタイプについてご説明していきましょう。デジタルサイネージのタイプには大きく分けて3つの種類があります。
- 1つ目は「スタンドアロン型」
こちらはネットワークに繋がっていないのが特徴で、USBをやSDカードを利用してコンテンツをディスプレイに表示します。 - 2つ目は「ネットワーク型」
スタンドアロン型とは違い、こちらはネットワークに繋がっているので、遠隔操作で管理が可能です。同時に複数のディスプレイの更新を行ったり、最新情報を常に表示することもできます。 - 3つ目は「インタラクティブ(双方向)型」
ネットワークに繋がっていて、さらにタッチパネル機能などがついたユーザー参加型の広告です。施設やユーザーの利便性を高めるのに向いています。
レンタルと購入の比較
デジタルサイネージを導入する場合、購入とレンタルとで迷われる方もいるでしょう。その場合、設置したい目的や予算に合わせて検討する必要があります。
【購入の場合】
- ①「ディスプレイ」
屋内用が約10万~40万。屋外用が約40万~80万。壁掛けの場合約15万~300万くらいが目安です。 - ②「STB(セットトップボックス)」
コンテンツの再生プレイヤーをSTBといい、約1万~10万が目安。ただしディスプレイがSTB内蔵の場合はこちらの費用はなしとなります。 - ③「CMS(コンテンツ・マネジメント・システム)」
ネットワークで管理するためのシステムで、クラウドサービスの利用の場合月額制が主流。データ量によって価格が違い、1端末あたり4,000~10,000円が目安です。
ネットワークに接続していないスタンドアロン型だとCMSの料金はかかりません。また、ネットワークに繋がっていても、すぐ手の届く所で1台だけ設置する場合ならCMSを利用せず導入できる場合もあります。 - ④「コンテンツ制作料」
こちらの記事にてご確認ください。
ネットワークに接続していないスタンドアロン型だとCMSの料金はかかりません。また、ネットワークに繋がっていても、すぐ手の届く所で1台だけ設置する場合ならCMSを利用せず導入できる場合もあります。
【レンタルの場合】
- 例:「ディスプレイ43インチ・スタンド付き」「USB再生機能付き」がセット。スタンドアロン型
- – 初期費用なし
- – 3日間:7.500円
- – 1年契約/月額:9,500円~
- – 2年契約/月額:6,250円~
- 例:「ディスプレイ43インチ・スタンド付き」「STB」「ルーター」「CMS」がセット。ネットワーク型
- – 初期費用:1万5000円~
- – 月額:7,800円~
参考:https://disit.jp/service/display/rental/
参考:https://www.o-to-mo.com/info.php
例えば単発のイベントなどであればレンタルがいいですが、長期的に考えると購入の方がランニングコストが抑えられるでしょう。
No.4デジタルサイネージの活用事例
1.インフォメーション活用
例えば、ショッピングモールの施設案内、電車や飛行機などの運行状況、映画館のチケット情報など生活の中でふと目にする機会の多い活用方法です。
それ以外にも、最近都市部で見かける、購入ボタンや商品がデジタル化された自動販売機だったり、病院予約のタッチパネルなど。日常生活の中で非常に多く接する機会があるのが、このタイプとなります。
2.広告活用
街頭にある大型ビジョンを使用した広告や、電車内、バス・タクシーの中などに使われ、今まで紙で宣伝をしてきた内容をデジタル化したものと表現すると分かりやすいかと思います。
CM(コマーシャル)に近い内容のものや、地下鉄の通路にある柱についたディスプレイなどもこれに当てはまります。
3.プロモーション活用
力を入れて売りたい商品のためにPOPとして設置されていたり、店内の目当ての商品を見つけるためのタッチパネルなどがこちらにあたります。
ネットワークと繋がっているとより効果的に利用することができ、例えば小売店で朝の採れたて野菜を表示したあと、その野菜をつかった昼ごはんのレシピをそこで表示し、夜には価格の下がった商品のセールをお知らせすることが1つのディスプレイでできてしまいます。
4.空間演出活用
主に商業施設や駅などので使われていて、その空間自体を演出する目的で活用されています。
例えば、春に桜、冬にクリスマスなど、季節に合わせた映像を施設内の壁に投影したり映像そのものを店舗の内装デザインに組み込むなども可能です。リニューアル工事にはコストがかかってしまうのに対し、デジタルサイネージを活用すれば映像だけでガラっとその場の雰囲気を変えることが可能なのです。
5.イベント活用
展示会やイベントなどで情報を発信するためにデジタルサイネージを利用するところも増えています。期間限定イベントの会期スケジュールやイベントのテーマを表示したり、4.の「空間演出活用」とあわせて会場全体にプロジェクションマッピングを施したりします。
これからデジタルサイネージの導入を考えている場合は、まず目的をしっかりと決め、5つのうちどのパターンで活用するかを決めておくことが大切です。
また、導入後にデジタルサイネージによって、目的がどの程度達成されたのかを検証できるような環境をもつくっておくことが、次へのステップになります。
No.5デジタルサイネージのコンテンツ制作費
デジタルサイネージをはじめとした動画、映像制作の相場
例えば、スライドショーのような、静止画をメインとした内容であれば10万円~程度。あとは内容にもよりますが、だいたい20万~100万程度が一般的な相場となっています。
「アニメーションを使いたい」「CGを使いたい」「有名なタレントを起用したい」「インタラクティブ型にしてユーザーも参加できるコンテンツにしたい」クオリティを求めるとどうしても費用はかかってきてしまいます。
映像制作会社によってはテンプレートを作りパック料金で安くコンテンツを作っているところもあるので、制約のある内容で問題なければそういった安いプランも検討してみましょう。
制作会社へ見積り依頼するときに大切なこと
映像制作となると専門的な分野でもあり、一体何に費用がかかるのか不安に感じることも出てくると思います。そういった場合には必ず制作会社に見積もりの内訳を聞いてください。
どうしても人件費として必要な料金や、希望のクオリティを保つために必要な料金というのもあるでしょう。しかし納得しないままや知らないままでは制作会社と良いコミュニケーションが取れず、良いコンテンツを作ることの妨げにもなります。
また内訳を出さない制作会社は信頼もしにくいので、基本的にはオススメできません。意図を汲み取ってくれ、明朗な予算を提示してくれる。そんな担当者がいる制作会社をぜひ探してください
No.6デジタルサイネージ動画の制作
動画、映像コンテンツを依頼するときのポイント
サイネージのコンテンツを作る場合、まずどのような目的を持って活用するかが明確になっている必要があります。ユーザーが便利に施設を使えるように誘導するのか、特定の商品を売り込みたいのか。
そういった目的達成の出口も依頼をするときに伝えることが大切なので、なるべく事前に5H3W(いつ・どこで・誰が・なぜ・何を・どのように・どのくらい・いくら)を意識して考えておくといいでしょう。
依頼時にこのような「概要整理シート」を用意することで、制作会社に意図が伝わりやすくなります。
動画や映像を自分たちで作る際の注意点
デジタルサイネージの動画を自分で作る際、PowerPointを利用することが一番に検討されるでしょう。
PowerPointにはアニメーション機能やナレーションに機能もついていますし、静止画のスライドショーであれば比較的カンタンに作ることができます。静止画のデジタルサイネージは落ち着いた印象をあたえるので、上品さや高級さを狙うのであればオススメできます。
しかし、デジタルサイネージの最大の利点は動画を利用できること。動きがつくことで街中にあっても人目をひくので、広告効果がとても高くなります。
自作で動画の撮影・編集・書き出しとなると、最初にそろえる機材やソフトのコストがかかりますし、専門的な分野で不安も出てくるかと思います。そのような場合はプロに一度相談をしてみてください。
No.7デジタルサイネージ動画、映像コンテンツ制作のスケジュール
制作会社へ依頼した場合の制作期間とスケジュール
動画を映像制作会社に依頼した場合、どのくらいの製作期間がかかるものなのでしょうか?
目安は2ヶ月と言われています。しかしスライドショーのみならもっと期間が早まったり、内容によってさまざま。まずは作りたい動画や目的に応じて相談が必要ですね。
具体的なスケジュール感としては
- 【1ヶ月目】
ヒアリング・打ち合わせ・企画書作成・台本完成 - 【2ヶ月目】
撮影準備・撮影・編集・完成
キチンとした制作会社は、撮影と同じくらい事前の打ち合わせや構成・台本に時間を割き、依頼主がどういう意図を持って動画を作りたいのか?ということを汲み取って行きます。この作業をおろそかにする制作会社ですと、クオリティにも期待できない場合があります。
自分で動画や映像をつくる場合の期間
制作会社のスケジュールでお伝えした最初の【1ヶ月目】には、制作会社の作った企画書や台本の内容を、依頼側でチェックする期間も含まれています。
自作の場合はそのチェックの必要がなく、さらに制作会社との打ち合わせもありません。その分時間は短縮できると考えていいでしょう。
あとは計画的に企画構成と台本、撮影と編集を作業できるかにかかってきます。事前にスケジュールを組んでおかないと、突発的なトラブルや不明点が出てきたときに時間を取られてしまいます。完成が先延ばしになってしまわないよう、気をつける必要があります。
No.8まとめ
スマートフォンやYouTubeの普及により、デジタルコンテンツが非常に身近になりました。
それに伴い、街中には以前見かけなかったデジタルサイネージがどんどん増えつつあります。まだ紙やテキストの広告・販売促進を利用している企業も多くある中で、差別化を図れるこれからの、未来のプロモーションと考えてください。
また、販売促進だけにとどまらず、地域の施設を利用しやすくする目的や、ユーザーの利便性をあげる一端を担っています。
導入までには費用がかかったり、タイプ別の運用があるため検討する点は多くなりますが、効果的にプロモーションが行えるメリットを最大限に活かし、これからの集客やインフォーメーションに活用してみてはいかがでしょうか?
まずは、どういった目的でコンテンツを作り活用していくのか、ご自身で運用をイメージしきれない場合は制作会社に相談してみましょう。
気になる制作会社のHPから実績を確認すると、デジタルサイネージの経験が豊富なのかがある程度わかり、選ぶポイントになります。
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PMに依頼する
クライアントがプロジェクトマネージャー(PM)に相談して進める方法です。
作りたい映像のイメージがまだ明確でない、はじめてでどのクリエイターを選んで良いかわからないという場合には、こちらからPMにご相談ください。
PMがご要望を整理し、最適の映像動画を制作します。
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コンペ形式で
依頼する一つのプロジェクトに対して、希望するクリエイターからのコンペを行う方法です。
複数のクリエイターのクリエイティブを比較して検討したい方はこちらを活用ください。
コンペに参加したクリエイターの企画のうち、ニーズに合った企画を選択して映像制作することができます。