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Movie 実写の動画・映像制作
実写の動画・映像を活用、制作発注するときのポイントや失敗しない実写動画・映像のコツを映像制作のプロが解説!
企業のブランディングを発信するために実写を使って、わかりやすいメッセージを伝えたいと思ったとき、担当者の方には、こんなことをよく悩むそうです。
「アニメーションと実写動画って、どっちがいいんだろうか?」
「代理店や制作会社からの見積もりが高いのか、安いのかわからない……」
「はじめての発注で知識がないけど、企画からサポートとかしてもらえたりする?」
読者さんの中にも、いらっしゃいませんか?
実写をはじめ、動画制作の経験がないひとが企画から制作会社の選定、納品までのステップをこなそうと思うと、多くの悩みや不安がつきまといます。
そこで、映像制作の専門家が、普段から実写動画などの制作に携わっていなくても、実写動画の基本を理解して、スムーズに見積り、発注から納品まで進められるように解説していきたいと思いますので、参考にしていただけたら嬉しいです。
それでは参りましょう。
No.1実写を活用するメリット
実写かアニメーションか動画の制作で迷っている方に向け、まずは実写動画のメリットからご説明していきます。
実写動画のメリット①
アニメーションとは違い、実写というのはそこに存在する「事実」を描写します。そのため視聴者は動画内に映っている人や製品、風景や施設が実在することに対し信頼性や説得力を感じます。
例えばお客様の声を紹介するときに、アニメのキャラクターと声優の声が感想を話していても、本当の意見とは受け取ってもらえませんよね?その動画自体が「信憑性にかける」と思われてしまいます。
「お客様の声」や「社員紹介」「施設紹介」こういった種類の内容の場合、実在の人物と場所で紹介するほうが、信頼性を高めることができます。
実写動画のメリット②
実写で動画を制作するメリットの2つ目は、共感を得ることや感情を動かすことに向いているという点です。
役者やモデルがストーリーを通して製品に触れたり、サービスを体験することで視聴者が没入しやすくなり、動画内のできごとを“自分ごと”と感じてくれるようになります。
動画を通して疑似体験ができるので、実際に製品やサービスを自分が手にした時の想像がしやすい、というのもポイントです。
実写動画のメリット③
次の3つ目のメリットは、微妙なニュアンスや質感をリアルに伝えることができる点です。
アニメーションは良くも悪くも全て抽象化してしまうので、視聴者の知りたい細かい部分を伝えることが難しくなります。
例えば製品の手触りはどうでしょう?アニメーションでは表現できませんね。働いている社員の雰囲気は?社内の空気を知りたい!そういった情報にはアニメーションではなく実写が向いているのです。
No.2アニメーションと実写の強み弱み
それでは次は強みと弱みを比べてみたいと思います。比較ができるよう、実写とアニメーションを並べてそれぞれお伝えしていきますので、ぜひ判断の参考にしてください。
実写動画の強み
- ①リアリティ
メリットでもご説明しましたが、実写はアニメーションには絶対に表現できないリアリティがあります。リアリティがあることで信頼性が高まるのは前述のとおりですね。 - ②親近感
実在の人物や場所が登場することで、視聴者が親近感をいだきます。より深いペルソナへ向けてメッセージを発することができるので、自分のことのように感じることができるのも強みです。 - ③イメージしやすい
アニメーションに比べ実写の方が登場人物に自分を重ねることができます。動画内の体験を共有することができ、使用イメージなどがわきやすいでしょう。
アニメーション動画の強み
- ①分かりやすい
マンガ的なオーバーリアクションや動きをしても、アニメーションであれば違和感なく受け取ることができます。記号的に説明することができるので、非常にわかりやすくなります。 - ②キャスティングの料金がかからない
アニメーションに登場するのはキャストではありませんので、役者やモデルを手配する必要がなくなります。その分料金もかからずコスト削減も可能になります。
※キャラクターに声を入れる場合は役者の費用がかかります。 - ③どんな場面も表現できる
実写には表現できる限界がどうしてもあります。アニメーションの表現は幅が広いので、イメージであったり理解しにくいサービスを具体的に説明することに長けています。
実写動画の弱み
- ①撮影準備に労力がいる
撮影現場には必要なものもたくさんあり、それを準備したり調節するのが大変です。キャスティングも重なり、さらにその作業をするスタッフも必要となってくるためコストがかさむことも。 - ②イメージしやすいためアラがばれる
準備に手を抜いていい加減な場所や道具を用意すると、視聴者はすぐに見抜いてしまいます。また、出演者のお芝居がちょっと……と感じてしまったら、すぐに離脱されてしまうでしょう。 - ③表現できることに限界がある
実在するからこその親しみは実写の十分なメリットといえますが、アニメーションほど自由がきく訳ではありません。とくに内容が複雑なシステムやサービスが対象の場合、実写の映像では限界があります。
アニメーション動画の弱み
- ①印象に残らない場合がある
抽象化されたキャラクターは分かりやすさがある代わりに、「どっかで見たことがある」と思われてしまう可能性もあります。簡単さや手軽さだけを重視すると、強い印象を残すことは難しいので最悪忘れられてしまう可能性も。 - ②イラストレーターやアニメーターの技術に左右される
魅力的なキャラクターや背景をどう作れるか?それもアニメーション動画には重要です。そのためあまりセンスのないイラストレーターやアニメーターに当たってしまうと、動画そのもののクオリティに関わってきます。 - ③こだわると非常にコストがかかる
ピクトグラムを使用するような簡単なものであれば問題ないですが、3DCGを多用したり、複雑なデザインを希望すると、その分コストがかかってきます。
No.3人間が受け取る動画の情報量はスゴイ
実写とアニメーション、それぞれのメリット・デメリットを知っていただけたかと思います。しかしそもそも動画自体に非常に力があり、文字の情報に比べて5,000倍もの情報伝達能力があるのというのをご存知でしょうか?
3Vの法則(メラビアンの法則)によれば、聞き手が受ける情報の9割が映像と音で占められています。これにより動画にはとても大きな情報伝達能力があるとお分かり頂けたかと思います。
3Vの法則(メラビアンの法則)
- ・視覚情報(Visual)― 55% 映像・画像など
- ・聴覚情報(Vocal)― 38% サウンド・ナレーション・音楽
- ・言語情報(Varval)― 7% テキスト
動画の情報だけで約半分を占めており、そこに音の情報を足すと実に9割に達します。
文章だけで表現をすると目からの情報一つのみとなってしまいますが、目と耳の両方から情報を得られる動画は、やはり圧倒的に文章のみより内容を伝えるのに向いているツールと言えるでしょう。
また、動画のいいところはストーリーとして視聴者に届けられることです。とくに実写は物語性を高められますので、言葉では表現しきれないメッセージや内容を伝えるのに優れています。
アニメーションと比べ微妙なニュアンスを得意とするため、“感動”を呼ぶ目的がある場合には実写がオススメです。
No.4実写動画制作の流れ
動画制作の流れは大体以下のようになっていますので、発注時の目安にお使いください。
- 1.ヒアリングと打ち合わせ
作りたい内容、イメージを伝えるために事前にいくつかテイストの近い動画を用意するといいでしょう。動画の掲載場所と納期、予算もこの時点で伝えていきます。 - 2.企画書・構成・台本
ヒアリングの内容を企画書にし、企画書のOKが出れば構成・台本と進みます。OKかどうかの確認に時間がかかるとその分納期が後ろに延びてしまう可能性があるのでお気をつけください。 - 3.撮影準備・撮影
構成や台本をもとに撮影が行われます。事前の撮影準備で確認事項がある場合は、またOKか修正かの返事をする必要があります。 - 4.編集・音入れ
編集は一度仮編集を行い、OKが出れば本編集へと進みます。画が固まったら音の素材を入れていきます。 - 5.納品
試写をして問題なければ希望のフォーマットで納品されます。オススメは汎用性の高い「.mp4」形式です。
No.5実写動画の制作時にある失敗例
次に「動画できあがったけど、どうも希望する内容と違った……」とならないためにも、いくつかの失敗例をあげておきますので参考にしてください。
ディレクターが依頼の意図を汲み取れていなかった
担当ディレクターが上手く依頼の意図を汲み取れず、自分のやりたいことだけを押し付けてくる場合や、時間的に忙しく、じっくりと打ち合わせに時間を割いてもらえないパターンもあります。
ヒアリングや打ち合わせの時点で「?」と疑問・不安を感じた場合は、一度今回の意図を汲み取ってもらえているか確認した方がよいでしょう。また、意図に沿った提案力や企画力があるかも見極めるポイント。待ちの姿勢のディレクターはあまりオススメできません。
制作会社とセンスが合わなかった
制作実績の動画を見てもピンとこなかったり、実績を確認せず予算だけで決めてしまったりするとイメージと違う動画ができてしまう可能性もあります。
なるべく気になる制作会社の制作実績は複数見るようにし、ホームページの雰囲気も判断の材料にしてください。どこか「センスが違う」と感じたら別の制作会社を探したほうが良いでしょう。
情報共有ができていなかったため追加料金で予算オーバー
基本的に予算を提示されたとき、全ての予算が組み込まれているのが一般的ですが、中にはイレギュラーな場合の予算や、細かい部分の追加料金をこまかく伝えない制作会社もあります。
天候によって撮影日が延びてしまったり、何度も修正が入って契約内の修正回数を超えてしまったり、納品のフォーマットを選ぶと追加料金がかかってきたり、さまざまな内容が考えられます。
打ち合わせの時点で見積もりの全内訳を確認させてもらい、追加料金が発生する可能性について話し合っておくといいでしょう。
No.6実写動画を発注するときのポイント
ではこれまでの内容を踏まえ、スムーズに実写動画が発注できるよういくつかのポイントをご紹介していきます。
事前に概要をまとめておく
納期や予算、スケジュールなど、数字で説明できるものは数字で伝えるといいでしょう。動画のテイストやイメージを共有できるよう、複数の動画サンプルを用意しておくのも必要です。
こちらに「概要整理シート」をご用意しました。いつ・どこで・誰が・なぜ・何を・どのように・どのくらい・いくら(5W3H)を意識してご記入ください。
事前リサーチをしておく
失敗例にあるような内容を避けるためにもリサーチは必要です。メールや電話でのやり取りを通して、担当ディレクターの人柄をある程度リサーチしておきましょう。
また「センス」の違いで悩むことがないよう、実績動画を複数見ておくといいですね。契約上動画をホームページに載せていない制作会社には、見せてもらえるよう問い合わせしてみてください。
制作会社は最低3つ比較しておく
最低でも3つ比較しておくと、映像制作会社のだいたいの平均値が分かってきます。基準が分かればあとは「この会社は予算がほかより安い」「この会社は他より実績が多い」「この会社は他よりテイストが好み」と判断できるようなってきます。
依頼者側で何を最重要ポイントにもってくるかで制作会社の選び方も変わってくるでしょう。ただ、予算だけを重視するのはあまりオススメできませんので、できれば予算とクオリティのバランスで判断してください。
No.7まとめ
実写で動画制作をするメリットやデメリットから、制作の流れやポイントについてご説明してきました。
大切なのは「伝えたい内容にマッチした表現であるか」ということに尽きます。必ずしも実写のほうが優れているという訳でもありませんし、アニメーションの方が優れているという事でもありません。
今回は実写動画のメリット・デメリットを掘り下げてご紹介しましたので、作りたい動画の表現に合っているかどうかぜひご判断ください。
また、事前に必ず実写かアニメーションかを決めておかないといけない訳でもありません。どちらの実績もある制作会社であれば、ヒアリングや打ち合わせの時点でプロとしてどちらがオススメなのか?を提示してくれるでしょう。
そして動画を載せる場所やターゲット、扱う製品、サービスによって最適な方法はさまざまです。分からないことがあれば遠慮なくプロに問い合わせをしてみましょう。
打ち合わせに入る前でも気軽に相談できる制作会社はあります。ホームページに問い合わせ窓口が載せてある場合も多いので、チェックしてみてください。
ただ中には実写動画専門であったりアニメーション専門の制作会社もありますので事前リサーチはしっかりと。なるべく多くの実績がある制作会社を比較してみるといいでしょう。
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