2020
Advertising videos in Japan 2020年の日本の広告
【2020年度下半期】日本の広告映像作品10選で今年を振り返る
2020年は大きくコロナの拡大前と拡大後に分けられますが、その情勢は大きく広告の内容にも反映されました。
2020年はどんな広告が作られ、評価されたのでしょうか。
2020年の国内の主要広告賞を受賞した映像作品を紹介します。ぜひ、優れた作品とともに1年を振り返ってみてください。
No.1おもしろさで話題になった2020年のCM
暗い話題が多い2020年でしたが、おもしろいCMが世間を和ませることもありました。
2020年下半期に放送された、おもしろさで話題となったテレビCMを3つ紹介します。
ガツン、とみかん 「リモートでガツン、と篇」
今ではすっかり普通の風景となったリモート会議の風景。
あるリモート会議で、男性が「ガツン、とみかん」を食べている姿が目を引きます。進んでいくリモート会議の結末には、あっと驚かされることでしょう。
リモート会議をうまく使った展開がおもしろく、国内の広告賞ACC賞フィルム部門に入選した1本です。
関西電気保安協会「ある日突然関西人になってしまった男の物語」
関西では伝統的CMと言ってもよいほど、知名度抜群の「関西電気保安協会」シリーズ。本シリーズでは誰もが思い描く関西人像が描かれており、もともとのCMを知らない方が見ても、ついくすっと笑ってしまいます。
関西に転勤してきた標準語の男性がシリーズが進むごとに関西人になっていく姿に寄り添う「関西電気保安協会」の社員と、フレーズが印象的です。
Uber Eats 「トレーニング」篇
コロナの影響で需要が急増したフードデリバリーサービス。その中でもUber EatsのCMはおもしろく、放送回数も2020年でダントツの1位を記録しました。
リサーチ会社のゼータ・ブリッジの調査によると、Uber EatsのCM放送回数は2019年上半期491回でしたが、2020年上半期は6,747回でした。増加率はなんと1,374%にものぼります。
2020年下半期も、Uber Eatsの勢いは増していく一方でした。
No.2新型コロナの文脈で語られた2020年のCM
2020年を語る上で無視できないのが新型コロナウイルスです。コロナによって今までの世界が一変しました。
新型コロナの影響を受けたCMを紹介するので、語られるメッセージに注目してみてください。
朝日新聞 「応援は、どこからでも届く。駒苫チャンス篇」
2020年は選抜高等学校野球大会がコロナのせいで中止となってしまいました。開催1週間前の中止が決まったことは球児たちにとって相当なショックでしたが、救済措置として各校1試合ずつの交流試合が甲子園で実現しました。
甲子園のファンや同級生たちが参加できない無観客試合でしたが、「応援は届いている」というメッセージをリモート画面を通じて伝えています。
サンリオピューロランド 「ピューロランド、休んでたって・・・」
コロナの感染拡大を受け、テーマパークは一時閉鎖せざるをえない状況でした。未知のウイルスに感染するリスクが高いため、テーマパークを訪れる人は2020年で激減しています。
サンリオピューロランドは、そんな厳しい状況でも人々の心が離れないようメッセージを発しました。
たとえ休んでいても、サンリオピューロランドはお客さんを待っているという真摯な姿勢が心を打ちます。
カロリーメイト 「見えないもの」
東京03の飯塚さんと俳優の加藤清四郎さんが出演するカロリーメイトのCMが2020年後半話題となりました。本当に先生と生徒のような演技に注目です。
カロリーメイトは毎年受験生を応援するCMを放映しています。今回は空の教室やリモート授業など、授業の描写が例年と大きく異なっていますが、学生も大人も背中を押してもらえるあたたかさに包まれた一本です。
No.32020年注目されたWebムービー
テレビCMに加え、2020年は数々のWebムービーも話題となりました。
ブランデッドムービーとしてWebで公開された、注目のムービー4選をチェックしてみてください。
SMBC日興証券株式会社 「教えて!イチロー先生」
子どもたちが元プロ野球選手の「イチロー先生」にさまざまな質問を投げかけるWebシリーズです。長年一流の野球選手として第一線を走ってきたイチロー先生ならではの鋭い着眼点に、おもわず見入ってしまいます。
SMBC日興証券株式会社は資産運用や投資の会社です。一見関連がなさそうですが、「人生を考える」という点で動画のテーマも企業のあり方も共通しており、見事なキャスティングだと言えるでしょう。
BOSS×ヤングジャンプ 「写植一筋40年 ヤングジャンプと生きる男」
ヤングジャンプの創刊とともに歩んできた、「写植」をなりわいとするある男性のストーリーです。写植という影の役割の大切さや40年同じ仕事を続ける働く人の誇りだかさが伝わってきます。
ヤングジャンプの各人気タイトルの編集を担当している社員の方々や漫画家の先生のイラストなどが登場し、ヤングジャンプ愛読者にとってはたまらないムービーです。
野村不動産 「僕は、父が苦手だった。」
2020年もっとも話題となったブランデッドムービーと言えば、野村不動産のこの1本でしょう。
King Gnuのボーカル井口さんが出演したことで有名になり、父と子のストーリーに多くの人が涙を流しました。
家族と家は切り離せない存在です。家族の関係性に焦点を当てたこの1本は、ブランデッドムービーの傑作の1つだと言えます。
サントリークラフトボス 「Flash Back Memories
2020年12月31日にAdobe Flashのサポートが終了しました。
日本のインターネットの黎明期を作り上げたFlashに思い入れのある方も決して少なくないことでしょう。
商品のターゲット層である20代後半〜30代の人にアプローチするため、ターゲットの気持ちを代弁しています。ブランディング動画としても大成功し、公開から1ヶ月で約100万回再生を記録しました。
No.42020年日本の広告動向
ゼータブリッジの調査によると、2020年4月〜9月の間のCMの回数・時間とも前年比から減少し、特に緊急自体宣言が発令された5月の減少が特に顕著でした。5月は放送回数前年比の80%、放送時間前年比86%も減りました。
また、CM放送回数が増えた業種・減った業種もコロナに大きく影響を受けたことがわかります。
増えた業種…映像、パソコン、テレビ、運輸・運送
減った業種…電車・航空、観光・アミューズメント、カメラ・プリンタ、映画、イベント
年が明けてもコロナの勢いは衰えを見せません。Go Toトラベルキャンペーンの中止や国際便の停止など、電車・航空関連のCM数の減少に拍車がかかってしまうことが考えられ、各業界の景気とCMが密接につながっていることがわかります。
また、コロナですっかり日常となってしまったリモート授業やリモートワーク、ソーシャルディスタンスなどがCMにも反映されるものが増えてきました。一方で、「関西電気保安協会」などシリーズ系CMの続きが下半期には勢いを取り戻してきたような印象もあり、2021年はコロナに縛られない、より自由な表現に戻っていくのではないのでしょうか。
「【2020年上半期版】ブランディング動画事例を紹介!日本国内の思わずもう一度見たくなる動画を使った広告6選」では2020年前半のCMも紹介しています。こちらもぜひ、チェックしてみてください。
No.5まとめ
いかがでしたか?
2020年下半期に放映され、人々の心を掴んだCMを紹介しました。
12月には1年を振り返るようなCMも多数放送され、2020年がいかに大変な1年だったかを振りかえらざるをえません。
それでも、人々の背中を押そうとたくさんのメッセージが発され、新しい生活の中でも希望を見出すよう訴えかけました。
2021年もこの状況がまだまだ続きそうですが、この先はどんな広告が生まれるのか楽しみですね。
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