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3H Scheme Googleの3H戦略

動画マーケティングの基本「3H戦略」と、注目される「マイクロモーメント」について解説

動画マーケティングの基本「3H戦略」と、注目される「マイクロモーメント」について解説

Googleの「3H戦略」をご存知ですか?2014年にGoogleが提唱した動画マーケティングの基本である「3H戦略」は、現在でも無視することができない重要事項です。

「動画でマーケティングをやってみたい」

「動画マーケティングの基本を押さえておきたい」

「3H戦略って何?」

そんな方のため、今回は「3H戦略」について今一度確認していきます。

No.1動画マーケティングの基本であり最重要事項の「3H戦略」とは?

2000年代後半からインターネットが急速に普及し始め、人々は自由に情報にアクセスできるようになりました。

同時に、今まで一方的に発信されていた情報が取捨選択されるようになり、情報の真偽を問われたり、企業が消費者にメッセージを届けることが難しくなってしまったのです。そして、今まで以上に「ターゲットの設定」が必要となりました。大勢に一度にリーチすることが不可能な今、ターゲットの興味をピンポイントで引かなければなりません。

そこで、GoogleはYouTubeの視聴傾向を分析し、企業やブランドの目指す方向性を「3H戦略」として整理しました。

3H戦略の目的は、「ターゲットの興味を惹き、ニーズを満たして長期的な関係を作る」ことです。この「3H戦略」はあらゆる動画コンテンツにあてはまり、現在でも動画マーケティングの基本かつ最重要事項と捉えられています。

まずは、3つのH「HERO」「HUB」「HELP」を確認しましょう。

人々の注目を集めるための「HERO」コンテンツ

「HERO」コンテンツは不特定多数にリーチして興味を惹く、話題性のあるものです。バズ動画や話題のテレビCMなどのHEROコンテンツは認知を拡大する役割を負い、「考えさせる」「シェアさせる」きっかけを与えます。

HEROコンテンツは「人々の持つ普遍的な欲求を刺激する」ことが求められ、「おもしろい」「気になる(好奇心を刺激する)」「感動する」ものである必要があります。

HERO動画の要素として、テレビCMやWeb動画でも強い感情である「感動」がよく用いられます。「【感動する国内のPV特集】感動動画9選!感動がブランドに与える効果・影響とは」でもHEROにあたる感動動画を多数紹介しているので、こちらも参考にしてみてください。

見込み客とのつながりを作るための「HUB」コンテンツ

ターゲットと企業やブランドをつなげ、長期的な関係を作るための役割を負うのが「HUB」コンテンツです。「HUB」は「中心」を意味するよう、ターゲットと企業をつなげるコアとなるコンテンツだとも言えます。

ターゲットが共感するブランドの世界観や価値観・メッセージを伝えるための動画で、企業やブランドに好感を抱いてもらうためにあります。「チャンネル登録する」「メルマガ登録する」「購買する」など、売上に直接的につながる行為を起こさせるのもHUB動画の役割です。

HUB動画は「見るだけでその企業のものだとわかる」ことが理想であり、編集スタイルやトーンなどの一貫性が、視聴者に安心や期待をもたらします。

ユーザーのニーズに応えるための「HELP」コンテンツ

「HELP」コンテンツは「HYGINE」コンテンツとも呼ばれ、疑問や欲求などのニーズを解決するためのHow to動画のことを指します。

Q&A動画や商品説明動画、操作方法の説明やキャンペーンの応募説明など、疑問を検索した人に答えを与えるための動画です。YouTubeには多くのHELPコンテンツがあがっているので、もっともイメージしやすいと思います。

「HERO」→「HUB」→「HELP」の順で動画が見られていく

通常、「HERO」→「HUB」→「HELP」の順に動画が再生されていきます。

HEROで大人数にリーチして話題となり、その中の一部であるターゲット(見込み客)がHUBコンテンツを再生します。 そして、商品を購買したユーザーや購買を考える層が疑問解消のため、HELP動画を見ます。

そのため、HELP動画は再生数が他のコンテンツよりも少なくなりがちです。ですが、「すでに関係性のある(購買した・または購買を検討している)ターゲットのニーズを満たすことが、ブランドへの強い信頼感につながります。

1回1回の再生数に意味があるので、HELP動画の視聴回数が低いからといって「いらない」「役に立っていない」というわけでは決してありません。

No.2動画マーケティングが上手な企業の3H動画例

3H戦略を理解するには、実際に動画を見てみるのが一番の近道でしょう。続いては、実際に3H戦略に基づいて動画を配信している企業の例を紹介します。

3H戦略の提唱者Googleの3H

3H戦略を提唱したGoogleはどのように動画コンテンツを作り分けているのでしょうか。3H戦略のお手本としてGoogleの3Hコンテンツを紹介します。

HEROコンテンツ「Year In Search」

年末、その年に起こった出来事や検索されたこと、話題になった動画などで構成された「Year In Search」はGoogleのHEROコンテンツです。

毎年恒例で大きな話題をさらうコンテンツで、テレビCMで見逃した人たちもYouTubeで検索して視聴するほどです。「来年はどうなるのだろう」とさまざまな言語でコメントが投稿されることからわかるよう、世界中が注目するHEROコンテンツの代表だと言えます。

HUBコンテンツ「When Liver Rises」

Googleの「テクノロジーで世界の問題を解決する」というメッセージを、HUBコンテンツから理解することができます。

AIで洪水を予測したり、Googleマップを利用したドローンで輸血用血液を届けたり、何本もの動画を通じて発信しています。どのHUB動画も世界観やトーン・メッセージが一貫しており、企業の姿勢が視聴者にストレートに伝わります。

HELPコンテンツ「The Nest Audio from Google」

GoogleはHELPコンテンツにも力を入れています。上記は、Nest Audioという新型スピーカーのHELP動画です。商品を魅力的に見せるカットがふんだんに取り入れられ、また音質をアピールするためにMark Ronson氏を起用しています。

ただ商品紹介や視聴者の疑問を解決するだけでなく、Google商品の世界観も感じられる作りとなっているのがさすがです。

動画マーケティングが得意なパナソニックの3H

パナソニックは実は動画マーケティングに注力しており、「3H戦略を取り入れている」と公言しています。パナソニックの動画も以下で見てみましょう。

HEROコンテンツ「エボルタNEOチャレンジ」

小さなロボット「エボルタ」がトライアスロンに挑戦するCMです。

かわいくて小さなロボットの絵が、「本当に乾電池2本でトライアスロン完走できるの?」と視聴者の興味をくすぐります。エボルタを起用したこの動画は、パナソニックブランドの顔となるHEROコンテンツだと言えます。

HUBコンテンツ「パナソニック ビューティフルジャパン」シリーズ

綾瀬はるかさんが出演する「ビューティフルジャパン」は、パナソニックの企業としての姿勢や価値観を伝える役割を負うHUBコンテンツだと言えるでしょう。オリンピックに向け、アスリートを応援するパナソニックの価値観が伝わってくるはずです。

「ビューティフルジャパン」は同様の編集トーンでシリーズ化されており、「美しい日本を伝える」という一貫した目的によってパナソニックが重視する価値観を理解することができるでしょう。

HELPコンテンツ「ルミックスGFフォトレシピ『背景をボカして撮ろう♪』」

電子機器を扱うパナソニックは、商品の性質上HELPコンテンツも充実しています。

この動画ではルミックスGFという一眼レフカメラの使い方を説明しており、購入した人やこれから一眼を始めたいと思っているターゲットのニーズに応えています。

No.3よくある動画マーケティングの「落とし穴」

3H戦略を意識しているのに、動画マーケティングがうまくいかないことがあります。そんな、よくある動画マーケティングの失敗が以下の4つです。

  1. ・HERO動画の訴求力が弱い
  2. ・HUB動画がない・HELP動画に偏っている
  3. ・欲張っている
  4. ・効果測定を怠る

動画マーケティング4つの落とし穴について、以下で説明します。

HERO動画の訴求力が弱い

HEROコンテンツとして作成している動画の訴求力が弱いため、想定したよりも人々にリーチしないことが非常によくあります。

確かに、ある程度はバズを狙うことができても、意図した通りに動画を拡散させるのは至難のわざです。入念に設計した動画が不発に終わり、かえって意図しない動画がバズることもめずらしくありません。

安易にタレントやインフルエンサーを起用するだけでは話題を獲得するのが難しくなっているのが現実です。「どうすれば人々の欲求を満たせるのか」ということを考えてHERO動画を作り、少しでも打率を上げていくしかありません。

HUB動画がない・HELP動画に偏っている

HUBは企業・ブランドの中心となるコンテンツですが、HUB動画を用意していない企業も見受けられます。HUB動画がなければ、HEROで興味を持ってくれた層に長期的かつ親密にアプローチするのが難しくなってしまいます。

また、YouTube上に多いのがHELP動画ばかりに偏ったチャンネルです。検索ニーズには対応できているものの、見込み客へのリーチを怠っている状態だとも言えます。

3Hを網羅するよう動画を数種類用意することを意識してみてください。

欲張っている

動画マーケティングでよくある失敗が「欲張ること」です。

動画の目的は1つに絞りましょう。HEROとして認知を拡大するのが目的なら、「購買につなげる」ことは欲張りすぎかもしれません。HUBに誘導して商品理解を深めるか、HELPで購買につなげる方がよいでしょう。目的を欲張ると、結局認知獲得も購買の促進もできずに終わることがほとんどだからです。

また、YouTubeで配信する動画をそのままSNSの広告に転用するのもおすすめできません。TwitterやFacebook、Instagramなど各メディアにはそれぞれ特徴に合わせて動画を編集したものをアップすることをお勧めします。よりターゲットにリーチしやすくなるためです。

動画の効果や配信方法を欲張らないことが大切です。また、ターゲットも狭く設定し、不特定多数よりも的確にターゲットにリーチすること目指すべきだと言えます。

効果測定を怠る

動画を作ったことに満足し、放置されていることがあります。実際にターゲットに届き、購買につながっているかどうかの効果測定をすることで、はじめてマーケティングに活かせます。

YouTubeのチャンネル登録者数や視聴傾向を分析する「YouTubeアナリティクス」や、ブランド認知度・検索上昇率を調べられる「ブランド効果測定」などの機能を活用してください。

No.4現在3H戦略とともに注目される「マイクロモーメント」とは

3H戦略は動画マーケティングの基本ですが、現在は3H戦略だけでは不十分とも言えるかもしれません。

Googleは2015年に「マイクロモーメント」を提唱しました。3H戦略は動画マーケティング、特にYouTubeを前提としていますが、マイクロモーメントはより広範囲のマーケティングにあてはまるものです。

マイクロモーメントは、「消費者が何らかの行動を起こしたい時にスマートフォンを手にして検索する瞬間」のことを指しています。その「行動」とは以下の4つです。

  1. ・知りたい
  2. ・買いたい
  3. ・したい
  4. ・行きたい

マイクロモーメントが重要視されるようになったのは、情報が溢れ人々の注意力が続かなくなったと言われています。3H戦略のみではターゲットに届いても、見てもらえない可能性も考慮しなければならなくなりました。

つまり、ターゲットの行動の導線を捉え、注意が逸れる前に欲求に応えなければなりません。動画の「最初の5秒」の重要性が増したと言えます。

3H戦略を基本としつつも、ターゲットのモーメントが生じる瞬間を捉えるような動画作りが現在では必要とされ始めています。動画マーケティングがさらに複雑化し、さらにターゲットに行動を起こさせるのが難しくなってきているのです。

このように、マーケティングに生かす動画作りでは複雑で綿密な設計が求められるため、動画作りは十分な知見のあるプロのクリエイターに依頼することをおすすめします。

No.5まとめ

いかがでしたか?

今回は「3H戦略」について考えてみました。3H戦略は動画マーケティングの基本となっている重要事項です。

ですが、年々情報が溢れ、ターゲットにリーチするまでの道筋が複雑化しています。動画視聴者の注意が続かなくなっているのも事実です。そのため、3H戦略に加えてマイクロモーメントの観点など、ターゲットの行動を意識してコンテンツ作りを行う必要性が生じています。

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